遅ればせながら、1月のステイングのコンサート羨ましい限りです。こちらハワイへは前回のツァー2001年にブランニューデーツアーと、当地のポリネシアン文化センターで上映されている”LIVING SEA"というドキュメンタリー映画に音楽をつけるために来てくれました。
東京でのコンサートもそうだと思いますが、彼はその土地、土地に対してとても敬意を示す人で、かつ、自身の個性、ポリシーも強く表現し、コンサートの中盤辺りから彼独特の世界に導かれ、終了時には別世界から現実に引き戻されるような、魔力につつまれるのです。
私は以前、日本のホテル開発の仕事をしていたのですが、彼が90年ごろだったと思うのですが、博多の海の中道の海浜公園のこけら落しのコンサート予定で訪れ、確か、”SET THEM FREE" を発表後のツァーでチケットは勿論完売でした。我々はこのコンサートの成功により、多くの人がホテルに以降も訪れていただけるものと、大喜びで、ステイング自身もそういったビジネスにも協力的で好印象でした。
ところが、コンサートを4日後に控えた、記者会見にて、ある記者の「この公園を作るにあたり、山の木をかなり伐採していることをどう思いますか?」との問いに自然保護にはとてもきびしいポリシーを持つ彼は、その場でコンサートの中止を発表し、我々を失意のどん底に落とし去っていきました。
当時の私は立場も忘れ、そのポリシーを貫き通す彼の姿勢に、感動すらおぼえ、以来、彼がどんな曲を演奏しようとも、名曲になってしまうのです。
スティングのアルバムはそれぞれ、彼の心境が反映されていて、味わいのあるものですが、やはり、彼は、ライブマンですね。同じ曲でも幾通りにも聞かせてしまう、マジックがあります。
次回、ハワイに来てくれることを多くのファンとともに心待ちにしています。